リハビリテーション担当

リハビリテーション科 教授 高畠英昭

長崎大学病院リハビリテーション部では、脳卒中や整形外科疾患だけでなく、心疾患や呼吸器疾患、がんなど、幅広い分野でリハビリテーション提供しています。
乳がん治療後のリハビリテーションは、身体的、心理的、社会的な回復を促進し、生活の質(QOL)を向上させる重要な役割を果たします。身体的回復では、乳房切除や再建術後に制限される肩や腕の可動域を改善する筋力トレーニングや可動域訓練が行われます。また、腋窩リンパ節郭清や放射線治療によるリンパ浮腫の予防・管理には、適切な運動や圧迫療法が効果的です。化学療法や放射線療法による慢性的な疲労感に対しても運動療法が有効です。
心理的サポートとしては、治療に伴うストレスや不安を軽減し、運動やリラクゼーション療法で精神的安定を促します。乳房喪失や形状変化による自己イメージの低下に対しては、専門的な支援が自己肯定感を高めます。さらに、社会的な適応を支援するため、患者が家事や仕事、社会活動に復帰できるようリハビリプログラムが提供されます。グループ活動を通じた他の患者との交流は、孤独感を和らげ、社会的な支援を得る場ともなります。
リハビリは長期的な健康維持にも重要で、適度な運動は乳がんの再発リスクを低下させ、健康的な体重維持や栄養管理といったライフスタイルの改善に寄与します。また、化学療法やホルモン療法で高まる骨粗しょう症や心血管疾患のリスクに対しても、運動や栄養指導が役立ちます。

 当乳腺センターでは、手術・化学療法・放射線治療だけでなく、リハビリテーションや身体ケア・心理的ケア・栄養管理などきめ細かいサポートを多職種協同で行ってまいります。

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